当院では、以下の予防接種を行っています。
帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹は、水ぼうそうの原因ウイルスである「水痘帯状疱疹ウイルス」が再活性化することで発症します。特に50歳以上の方は、加齢に伴って免疫力が低下するため、発症リスクが高まります。帯状疱疹の主な症状には、皮膚に痛みを伴う水疱や発疹が現れることが挙げられ、重症化すると「帯状疱疹後神経痛」といった後遺症を残すこともあります。
帯状疱疹の予防には、生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン)と不活化ワクチン(シングリックス®)2種類のワクチンが使用されており、それぞれの特徴があります。
生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン)
生ワクチンは、弱毒化された生きたウイルスを使用しており、免疫反応を引き起こしてウイルスへの防御力を高めます。50歳以上の成人に推奨され、接種後約5年間の予防効果がありますが、免疫力が低下している方には使用できない場合があります。
不活化ワクチン(シングリックス®)
不活化ワクチンについては、生きたウイルスを使用せず、ウイルス成分のみを使用したワクチンになります。免疫力が低下している方にも安全に使用でき、50歳以上の成人に推奨されます。2回の接種が必要であり、約10年間の長期的な予防効果が期待されています。
帯状疱疹ワクチン接種後には、注射部位の痛み、発赤、腫れなどの軽度な副反応が現れることがありますが、通常は数日で収まります。稀に発熱やアレルギー反応が生じることもあります。
RSウイルスワクチン(アレックスビー®)
RSウイルス(Respiratory Syncytial Virus: RSV)は、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層で呼吸器感染症を引き起こすウイルスです。特に乳幼児や高齢者では重症化するリスクが高く、肺炎や細気管支炎などの合併症を引き起こすことがあります。
「アレックスビー®」は、日本で初めて承認されたRSウイルスの予防ワクチンです。乳幼児および65歳以上の高齢者を対象に、安全かつ効果的な予防手段として提供されています。RSウイルス感染による重症化を防ぐことを目的として開発されており、特に高リスク群にとって重要な予防手段です。
接種後には、注射部位の痛みや腫れ、発熱などの軽度な副反応が生じることがあります。重篤な副反応は非常に稀ですが、異常を感じた場合はご相談ください。
インフルエンザワクチン

インフルエンザの予防対策(手洗い、マスクの着用 等)の中で最も効果が高いとされているのがインフルエンザワクチンの接種です。
より高い効果を得るためには、接種時期も重要です。日本では、例年冬~春の季節にかけて流行します。ちなみに同ワクチンの接種による持続効果期間は約5ヵ月、接種後に効力を発揮するまでに2週間程度かかるとしています。これらを踏まえると、遅くとも流行のピークとなる1月よりも少し前の12月中旬までに接種を終えるようにします。
なお接種回数に関しては、年齢によって異なります。13歳未満のお子様については計2回の接種が必要です。13歳以上から1回の接種です。2回接種する場合の間隔に関してですが、1回目の接種を受けてから2~4週間程度空けて打つようにしてください。
肺炎球菌ワクチン
成人が発症する肺炎の中で、最も多い原因菌と言われているのが肺炎球菌です。また肺炎は、日本人の死因第5位となっていますが、そのうち65歳以上の高齢者の死亡率は9割以上となっています。このことから、高齢者が接種する肺炎球菌ワクチンは、定期接種の扱いとなっています。そのため、各自治体では費用の一部を助成しております。小金井市でも1回限定ではありますが、実施しています。
定期接種の対象に関しては、全ての高齢者とはしていません。また定期接種として受けてはいないものの、これまでに23価肺炎球菌ワクチンを一度でも接種したことのある方につきましても対象外となります。詳細に関しては、小金井市の公式ホームページをご覧ください。
なお定期接種の対象とならない方につきましても、全額自己負担にはなりますが、同ワクチンを接種することは可能です。ただ再接種を希望される方で、前回の接種から5年以上経過していない場合は、注射部位に強い痛みが出ることがあります。